遺族厚生年金 みなし300日(短期要件・長期要件)~2022年5月22日実施FP1級学科応用編第1問(問52)~

遺族厚生年金は、みなし300日という計算(制度)があります。年金は加入期間に応じて額が決まるところ、例えば(厚生年金の)加入期間が200日しかなくとも、300日分に計算し直して給付されるというものです。

 

このみなし300日というのは、短期要件と呼ばれるものについて適用されます。

短期要件とは、以下の要件に当てはまる人が死亡した際に適用されるものです。

・厚生年金加入中(在職中)

・厚生年金加入中の傷病が原因で加入脱退後5年以内

・1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている

 

ここで、さすがに保険料を納付していなければ給付を受けられないため、

未納期間が一定期間内ということが条件となります。(そこは割愛)

 

一方、長期要件と呼ばれるものがあります。これだと、みなし300日は適用されません。

以下の要件に当てはまる人が死亡した際に適用されるものです。

・老齢厚生年金の受給権者であった

・老齢厚生年金の受給資格を満たした

これについては、「保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が25年以上ある方に限り」適用されます。そのように日本年金機構のWebに書いてあります。

 

となると、

A.大学卒業(23歳)後ある会社にずっと務めていて、アーリーリタイアしたとたんの55歳で亡くなってしまったというような場合

長期要件に当てはまる、というのはわかります。

 

B.一方、同じく大学卒業(23歳)後、40歳になったので一念発起し脱サラし、個人事業主として国民年金を払いながらやってきたところ55歳で亡くなってしまったという場合

どうなるか。

 

典型的にはタイトルにある直近の2022年5月22日実施FP1級学科応用編第1問(問52)の問題です。

 

これは、長期要件に該当して、みなし300日は適用されません。

 

これを過去問解説のWebでみて、んーどういうことだ、となって日本年金機構のWebを見たところ、よく分かりませんでした。

 

 が、これを書いている途中に

・Bはそもそも個人事業主、つまり厚生年金には加入していない

・一方、先の問題では遺族厚生年金を受給できるとしている

→つまり、短期要件ではなく長期要件に当てはまるということになる、と気づきました。

そして、長期要件とは「老齢厚生年金の受給権者」であり、

「老齢厚生年金の受給権者」とは、老齢基礎年金を受け取れる場合に厚生年金の加入期間があるということなので、老齢基礎年金の年数を使う、とつながりました。

 

いやー、年金って複雑ですね。